本日の卓話 第1254・1255回 書道家 稲田春逕様

「楽天知命」(書が私に教えてくれたもの)
学びは次世代への贈りもの

皆さん初めまして、私は書道家の稲田春逕(しゅんけ
い)と申します。
本日はこの様な機会を頂き本当に嬉しく思っておりま
す。
まず、私が最初に書に出会ったのは小学生の時です。
何にでも興味のある好奇心のかたまりの子どもでし
たが、身長が一番小さかった私はみんなからからか
われる対象だったのです。
その泣き虫の私が1年生の学校の硬筆大会で大きな
賞(九州大会まで作品が行きました)をいただいたの
をきっかけに、がんばれば結果がでる事を知ると同
時に、文字という奥の深い世界にのめり込むようにな
りました。
その後3年生になり本格的に書を始め、ある先生に
で出会った事がきっかけで自分が書家としてやって
いく決心につながったと思います。

その先生は、書はもちろんの事、書の周りの事を独
学で学んでおられました。先生の教室にはかなり多く
の専門書が並んでいたのを覚えています。「この本は
みんな君に読んでもらいたいんだ。」と言われていま
した。
その後その先生のもとで練習を重ね、更にいろんな
先生に出会い学び、何万枚と書き続けて参りました。
書家としての本業の傍ら、医療職の二足のわらじで五
十歳までやってきたのです。
そして、五十歳の時、ずっと思い描いていたイメージ
の何十倍もの記念の書展
8メートルの作品を4本「平家物語冒頭」を飾ると言う「
楽天知命展」を開催する事ができました。思い返すと
奇跡の様ですがこれも多くの方々の支えのおかげで
す。
夢は強く思い続け、そしていろんな方々に言い続ける
と本当になるのだと不思議に感じた機会でした。
出典易経の言葉「楽天知命」とは(天を楽しみ、命を知
る)
つまり、天より与えられた天分、資質を楽しみ、それを
発揮する事に力を注ぐと言う事です。この言葉に出会
ったので五十歳で医療職を辞めました。
書を続けていくためにはいろんな場面での選択が必
要で何度も何度もたちどまりました。しかし、今振り返
ると、二人の息子たちもその後ろ姿を見て育ってくれ
たのだろうなと思います。二人の息子にも感謝します

ところで、書道と言えば、ほとんどの方々は「習字」と言
う言葉を思い浮かべられると思います。習字とは字を
習う。習字・書写は国語のジャンルです。しかし、書道
は音楽、美術と同じ芸術のジャンルなのです。心の表
現(精神性)を伴うものなのです。
「文字」の発祥は、メソポタミア文字、ヒエログラフ、イ
ンダス文字など紀元前3000年前にさかのぼると
言われていますが、それらの文字は現在は使われて
いません。
漢字は中国で発生し、秦の始皇帝(紀元前221年ごろ
)が篆書の辞典をつくり、文字の統一を成し遂げまし
たが、現在の中国では簡略化された簡体字が多く使
われ古来からの文字はほとんど使われていません。
日本では仏教の伝来ごろに伝来したと言われていま
す。その漢字を取り入れ、仮名と漢字の混ざり合った
日本語として発達させてきました。
子育ての傍ら、中国への現地見学や研修、全国公募
展への出品も行って参りました。
熊本県内外での書活動や、書道塾・さまざまな書に関
するワークショップ等の経験が今の私を形成していま
す。
学びながら、人に教える。教えながら、また学ぶ。
0歳から90歳代までの方々に出会って参りました。
初心者の方の質問は厳しいので、また調べて学ぶと
いう繰り返しです。
知ると言う事、考える事はとても楽しいのです。
手書きの文字には人の心が表現されます。
これからも書家としての文字の追求とともに先人が
大事にしてきたものを次の世代に繋ぎ、そして継承し
ていける人を育てていけたらと考えています。

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